【初心者向け】星空撮影おすすめカメラ5選！設定と撮り方も解説

息をのむような満天の星。都会の喧騒を離れ、静寂な夜空を見上げた時に感じる、あの荘厳な感動を、あなた自身の手で一枚の写真に収めてみたいと思いませんか。そんなあなたの夢を叶える、星空撮影におすすめの初心者向けカメラをご紹介します。この記事では、最高の星空撮影におすすめの初心者向けカメラと、その魔法のような設定方法のすべてをお伝えします。

星空の撮影は、専門的で高価な機材が必要な、一部の人だけの趣味だと思っていませんか。いいえ、決してそんなことはありません。正しいカメラとレンズの選び方、そしていくつかの基本的な設定さえ知ってしまえば、誰でも、あの天の川の淡い光や、無数の星々のきらめきを、感動的な作品として記録することができるのです。この記事を読み終える頃には、あなたのカメラ選びの悩みは消え、星空へと向かう期待感で胸がいっぱいになっているはずです。

スマホでは撮れない世界へ。星空撮影に必要な機材と基本設定

なぜ、最新のスマートフォンを使っても、私たちが感動するような星空の写真を撮ることは難しいのでしょうか。それは、星空撮影が、暗闇の中に存在する、ごく僅かな光を捉えるという、極めて繊細な作業だからです。この作業を成功させるには、スマートフォンの小さなセンサーとレンズでは限界があります。ここでは、あなたが星空写真家としての第一歩を踏み出すために不可欠な、専用カメラの選び方から、その性能を最大限に引き出すためのレンズ、三脚、そして具体的なカメラ設定まで、ゼロから分かるように徹底的に解説します。

1. なぜ専用カメラ？フルサイズとAPS-Cの違い

星空撮影において、専用のミラーレス一眼や一眼レフカメラがスマートフォンを圧倒する最大の理由は、「イメージセンサー」の大きさの違いにあります。イメージセンサーは、光を電気信号に変える、カメラの心臓部。このセンサーが大きいほど、より多くの光を一度に捉えることができ、暗い場所でもノイズの少ない、美しい写真を生み出すことができます。

このセンサーサイズには、主に「フルサイズ」と「APS-C」の二種類があります。フルサイズは、高価ですが最もセンサーが大きく、星空撮影においては理想的です。一方、APS-Cはフルサイズより一回り小さいセンサーですが、カメラ本体もレンズも比較的手頃な価格で、かつ性能も十分高いため、初心者の方が最初に選ぶには最適な選択肢と言えるでしょう。どちらのタイプも、スマホとは比較にならないほどの光を捉え、あなたの知らない美しい星空の姿を写し出してくれます。

2. 最重要機材「明るい広角レンズ」の選び方

星空撮影においては、実はカメラボディ以上に、写真のクオリティを左右するのが「レンズ」です。そして、選ぶべきは「明るい広角レンズ」一択です。まず「広角」とは、広い範囲を写せるレンズのこと。これにより、地上の風景と、広大な星空を一枚の写真に収める、といった雄大な構図が可能になります。

そして、最も重要なのが「明るさ」です。レンズの明るさは「F値」という数字で表され、この数字が小さいほど「明るいレンズ」ということになります。星空撮影では、このF値がF2.8以下のレンズが理想的です。F値が小さいレンズほど、たくさんの光を効率よくセンサーに届けられるため、より短い時間で、より明るく、ノイズの少ない星空を撮影できます。まずは、F値の低い広角レンズを手に入れること。それが、美しい星空写真への最短ルートです。

3. 星空撮影の基本設定：マニュアルモードを使いこなす

星空撮影では、カメラのオートモードは役に立ちません。カメラ任せでは、暗闇の中で何にピントを合わせて良いか分からず、ただ真っ暗な写真が撮れるだけです。星空を撮るには、カメラの「マニュアルモード（M）」を使い、全ての設定を自分で行う必要があります。難しく聞こえますが、基本のレシピは決まっています。

まず、絞り（F値）は、レンズが持つ最も小さい数字（F2.8など）に設定します。次に、シャッタースピードは15秒から20秒程度に設定。これにより、肉眼では見えない星の光も、じっくりと時間をかけて捉えます。ISO感度は、星の明るさを増幅させる機能で、まずは1600から3200程度で試してみましょう。最後に、ピント合わせ。オートフォーカスはオフにし、マニュアルフォーカスで、遠くの山の稜線や、最も明るい星にピントを合わせ、無限遠（∞）の状態にします。この基本設定が、魔法の扉を開く鍵です。

4. 必須の相棒「頑丈な三脚」と「レリーズ」

15秒や20秒といった長い時間、シャッターを開け続ける星空撮影において、カメラのブレは最大の敵です。ほんの僅かな揺れも、星の光を線のようにブレさせてしまいます。そのため、カメラを完全に固定するための「頑丈な三脚」は、絶対に欠かせない必須機材です。軽量なだけでなく、ある程度の重さがあり、風が吹いてもびくともしない、安定感のある三脚を選びましょう。

そして、もう一つ重要なのが、シャッターを切る際のブレを防ぐための「レリーズ（リモートシャッター）」です。どんなにそっと押したつもりでも、カメラ本体のシャッターボタンを直接指で押すと、その瞬間にカメラは微妙に揺れてしまいます。レリーズを使えば、カメラに一切触れることなく、手元のリモコンでシャッターを切ることができます。レリーズがない場合は、カメラのセルフタイマー機能（2秒後などに設定）を使うことで、同様にブレを防ぐことが可能です。

5. キヤノンやニコンでも撮れる？メーカーによる違い

星空撮影を始めたいけれど、キヤノン、ニコン、ソニーなど、どのメーカーのカメラを選べば良いか分からない、という悩みも多いでしょう。結論から言えば、どの主要メーカーのミラーレス一眼、一眼レフカメラでも、美しい星空を撮影することは十分に可能です。特に、最近のカメラは高感度性能が飛躍的に向上しているため、メーカーによる性能差は、初心者の方が気にするほど大きくはありません。

かつては、ニコンの一眼レフが天体撮影に強い、あるいはキヤノンはレンズの種類が豊富、ソニーはミラーレスの先駆者、といった特徴がありましたが、現在は各社がそれぞれに魅力的な製品を開発しています。むしろ、メーカーで選ぶというよりは、あなたが「使ってみたい」と心惹かれるカメラ、手に持った時にしっくりくるカメラを選ぶことが、撮影を長く楽しむための秘訣です。安心して、あなたの好きなブランドのカメラを手に取ってみてください。

【2025年最新】初心者におすすめ！安いけど星が撮れるカメラ5選

ここからは、あなたの星空への憧れを、具体的な一枚の作品へと変えるための、最高のパートナーをご紹介します。天体撮影は高価な趣味だという常識を覆す、驚異的なコストパフォーマンスを誇るモデルから、将来のステップアップまで見据えた本格派まで。カメラのプロが、初心者のあなたのために、本気で選んだ5つの選択肢です。この中に、あなたの宇宙への旅を始めるための一台が、必ずあります。

1. キヤノン EOS R100

星空撮影への第一歩を、これ以上ないほど手軽に、そして確実に踏み出したい。そんなあなたのための、まさに「最初の一台」と呼ぶにふさわしいのが、このEOS R100です。驚くほど軽量でコンパクトなボディに、APS-Cサイズの大型センサーを搭載。スマートフォンのカメラとは比較にならない豊かな光を取り込み、満天の星々の輝きを、ノイズの少ないクリアな画質で描き出します。

キヤノンならではの、分かりやすいメニュー表示やガイド機能は、カメラ初心者の方がマニュアル設定に挑戦する上で、これ以上ないほどの心強い味方となってくれるでしょう。最新のRFマウントを採用しているため、将来的に、より高性能な広角レンズへとステップアップしていく楽しみも広がっています。星空撮影は、難しくて高価なものではない。このカメラが、そのことを、あなたの最初の傑作と共に証明してくれます。

2. ソニー α6400

多くのプロカメラマンが、サブ機として絶大な信頼を寄せる。その事実が、このα6400が持つ基本性能の高さを何よりも雄弁に物語っています。APS-Cセンサー機としてはトップクラスの高感度性能を誇り、淡い天の川のディテールや、微細な星の光を、驚くほど豊かに、そして低ノイズで捉えることができます。

このカメラが星空撮影において特に魅力的なのは、ソニーEマウントが採用する「オープンな規格」にあります。これにより、純正レンズだけでなく、非常に高性能でありながら価格を抑えた、サードパーティ製の明るい広角レンズの選択肢が、他社を圧倒するほど豊富に存在します。カメラ本体の予算を抑えつつ、星空撮影の鍵となるレンズに投資する。そんな、最も賢明で、最も効果的なシステム構築を可能にする、戦略的な一台です。

3. ニコン Z 30

長年にわたり、天体写真家の間で「ニコンのカメラは星の再現性が高い」と評価されてきました。その、星を知り尽くしたニコンが、最新の技術を、驚くほどコンパクトなボディに凝縮したのが、このZ 30です。大口径のZマウントは、光を効率的にセンサーへと導き、画像の隅々までシャープで、クリアな星像を描き出します。

APS-Cセンサーながら、その高感度性能は上位機種に迫るほどの実力。ISO感度を上げてもノイズが少なく、天の川の淡いグラデーションも、滑らかに表現してくれます。Vlog撮影に特化したモデルのため、モニターが自由な角度に動くバリアングル式である点も、三脚に据えて低い位置から空を見上げる星空撮影では、非常に便利な機能となります。ニコン伝統の星空表現を、最新のミラーレスで、そして手の届く価格で。その夢を、この一台が叶えます。

4. OM SYSTEM OM-D E-M10 Mark IV

星空撮影には、長時間シャッターを開ける「長時間露光」以外にも、様々な表現方法があります。このE-M10 Mark IVは、そんなクリエイティブな撮影を、驚くほど簡単に行える、唯一無二の機能を搭載しています。それが「ライブコンポジット」です。これは、最初に写した光を基準に、新しく加わった光だけを合成していくという魔法のような機能。

これにより、星の光跡を、街の明かりなどを白飛びさせることなく、美しい光の線として描くことができます。モニターで、星の軌跡がリアルタイムで描かれていく様子を確認しながら撮影できるため、初心者の方でも、失敗することなく、幻想的な作品を創り出すことが可能です。強力な5軸手ぶれ補正も搭載しており、星景写真だけでなく、あらゆるシーンであなたの創造性を刺激してくれる、遊び心に満ちた一台です。

5. ソニー α7C

もしあなたが、最初から、最高の画質を目指したいと願うなら。このα7Cは、その夢を叶えるための、最もコンパクトで、最も賢明な選択肢です。このカメラの心臓部には、多くのプロが愛用する、フルサイズセンサーが搭載されています。APS-Cセンサーと比較して、その集光能力は圧倒的。同じ設定で撮影しても、よりノイズが少なく、より豊かな階調で、星空の深遠な美しさを描き出すことができます。

これほどの性能を持ちながら、そのボディは、多くのAPS-C機と変わらないほどの、驚異的な小型軽量設計。星空を求めて、山奥や遠隔地へと足を運ぶ際、この軽さは、何物にも代えがたいアドバンテージとなります。フルサイズセンサーでしか見ることのできない、異次元の星空。その、誰もが憧れる世界への扉を、この一台が、最もスマートに開いてくれます。

まとめ：最初のシャッターで、あなたも宇宙とつながる

満天の星を、ただ見上げるだけの存在から、自らの手で作品として切り取る存在へ。この記事でご紹介したカメラと、基本的な知識があれば、そのステップアップは、あなたが思うより、ずっと簡単で、決して高価なものではないことを、ご理解いただけたかと思います。重要なのは、ほんの少しの勇気を持って、マニュアル設定という扉を開けてみることです。

あなたの次なるアクションは、この記事の中から、最もあなたの心をときめかせた一台を選ぶことです。そして、明るい広角レンズと、頑丈な三脚を手に、月のない、晴れた夜を待つこと。あとは、基本の設定を試しながら、夢中でシャッターを切るだけです。想像してみてください。真っ暗なカメラのモニターに、あなたの肉眼では捉えきれなかった天の川が、ゆっくりと浮かび上がる、その瞬間を。それは、あなたが初めて、自分自身の力で宇宙とつながった、忘れられない感動の記憶となるでしょう。