ヒーター式 ヒートポンプ式の臭い問題は、ドラム式洗濯乾燥機選びで最も悩ましい点の一つです。乾燥方式には大きく分けて「ヒーター式」と「ヒートポンプ式」があり、それぞれにメリット・デメリットが存在します。高熱で乾かす「ヒーター式」は、独特の焦げたような臭いが気になるという声もあれば、省エネな「ヒートポンプ式」は、乾燥フィルターの奥に溜まったホコリや洗剤カスが原因で、生乾きのようなヒートポンプユニットの臭いが発生すると言われます。
「ヒーター式とヒートポンプ式どっちがいいのか」、電気代の違いは?パナソニックなどの人気メーカーの臭い対策は?ヒートポンプの弱点は何なのか。結局、臭く ない メーカーはどこなのか。ヒーター式を選んで後悔したくない。この記事では、両者の臭いの根本原因を徹底的に比較し、後悔しない選び方と、臭いを発生させないための賢い対策を解説します。
- ヒートポンプ式の臭いは「低温乾燥」による雑菌が原因
- ヒーター式の臭いは「高温」によるホコリの焦げ付きが原因
- 電気代はヒートポンプ式がヒーター式の半分以下で圧勝
- 臭い対策の鍵は「自動おそうじ機能」搭載メーカーを選ぶこと
ヒーター式とヒートポンプ式「臭い」の根本原因と電気代の違い
洗濯乾燥機を選ぶ際、価格と乾燥方式は最大の違いです。しかし、どちらを選んでも「臭い」のリスクは潜んでいます。なぜヒートポンプ式は生乾き臭がすると言われ、ヒーター式は焦げ臭いと言われるのか。ここでは、その構造的なデメリットと、決定的な電気代の差、そしてヒートポンプの根本的な弱点について、詳しく解説していきます。
- ヒートポンプ式乾燥機のデメリットと臭いの原因
- ドラム式ヒーター式の臭いと「後悔」する理由
- ヒーター式とヒートポンプ式の決定的な電気代の差
- ヒートポンプの弱点とは?乾燥時間と性能
- 共通の臭い対策:メーカーを問わない掃除方法
1. ヒートポンプ式乾燥機のデメリットと臭いの原因
ヒートポンプ式乾燥機の最大のデメリットであり、臭いの原因となりがちなのが、その乾燥方式の仕組み自体にあります。ヒートポンプ式は、エアコンの除湿のように、湿った空気を冷却して水分を取り除き、乾いた温風(約60〜65℃)を再びドラム内に戻すことで衣類を乾かします。この「低温での乾燥」は、衣類を傷めにくい大きなメリットですが、同時にヒートポンプの弱点でもあります。
ヒーター式(約100℃)と比べて温度が低いため、洗濯槽や乾燥経路内に残ったわずかな皮脂汚れや洗剤カスが殺菌されにくく、湿気と相まって雑菌やカビが繁殖しやすい環境が生まれます。これが、ヒートポンプユニットの臭いや、生乾きのような不快な臭いの主な原因です。
特にパナソニック製のヒートポンプが臭いという声も聞かれますが、これは特定のメーカーの問題というより、定期的な掃除を怠ると、この宿命的なデメリットが顕在化しやすいという構造上の問題なのです。
2. ドラム式ヒーター式の臭いと「後悔」する理由
一方で、旧来からあるヒーター式乾燥機が臭いと言われる原因は、ヒートポンプ式とは全く異なります。ヒーター式は、ドライヤーのように高温(約100℃近く)の熱風を衣類に当て、湿った空気をそのまま機外に排出する(または水で冷却して排出する)方式です。この高温こそが、ドラム式洗濯機でヒーター式を選んで後悔する理由の一つである「焦げたような臭い」の原因です。
乾燥フィルターで取り切れなかった微細なホコリや糸くずが、高温のヒーター部分に付着し、文字通り「焦げる」ことで、特有の臭いが発生します。また、新品のうちは機械油や内部のプラスチック部品が熱される臭いが気になることもあります。
ヒートポンプ式のような雑菌の繁殖による臭いは高温で殺菌されるため起きにくいものの、この「ホコリの焦げる臭い」は、ヒーター式が持つ構造的な特徴と言えるでしょう。
3. ヒーター式とヒートポンプ式の決定的な電気代の差
「ヒーター式とヒートポンプ式どっちがいいか」、この比較で「臭い」と並んで最も重要な判断基準となるのが、圧倒的な「ヒーター式 ヒートポンプ 式 電気代」の差です。ヒーター式は、高温を生み出すために大量の電力を消費します。一方、ヒートポンプ式は、空気中の熱エネルギーを集めて効率よく利用するため、ヒーター式に比べて使用電力が格段に少なくて済みます。
具体的な目安として、1回の乾燥にかかる電気代は、ヒーター式が約50円〜60円程度かかるのに対し、ヒートポンプ式はその半分以下、約20円〜30円程度で収まることが一般的です。
もし毎日乾燥機を使う家庭であれば、1ヶ月で1,000円以上、1年間で1万円以上の差が生まれる計算になります。本体価格はヒートポンプ式の方が高価ですが、ランニングコストを考えれば、長期的にはヒートポンプ式の方が経済的と言えるでしょう。
4. ヒートポンプの弱点とは?乾燥時間と性能
電気代ではヒートポンプ式が有利ですが、ヒートポンプの弱点とされるのが「乾燥時間」と「乾燥力」です。前述の通り、ヒートポンプ式は約60℃程度の低温でじっくり乾かすため、ヒーター式が高温で一気に乾かすのに比べて、乾燥完了までの時間が長くかかる傾向があります。また、この低温方式は衣類に優しい反面、冬場の寒い時期など、外気温が低い環境では乾燥効率が落ち、乾きムラや生乾きを感じるケースもあります。
これがヒートポンプ式乾燥機のデメリットです。一方、ヒーター式は高温でパワフルに乾かすため、乾燥時間が比較的短く、どんな環境でもカラッと仕上げる力強さがあります。
ただし、その高温ゆえに衣類が縮みやすく、傷みやすいというデメリットも抱えています。速さとパワーのヒーター式か、優しさと省エネのヒートポンプ式か、ライフスタイルに合わせた選択が必要です。
5. 共通の臭い対策:メーカーを問わない掃除方法
結局のところ、ヒーター式であれヒートポンプ式であれ、臭いを防ぐ鍵は「メンテナンス」にあります。ヒートポンプの臭い対策として最も重要なのは、乾燥フィルターの掃除です。多くの人が見落としがちなのが、乾燥フィルターの「奥」にある、ヒートポンプユニット(熱交換器)の手前の部分です。パナソニックなどの機種では、この部分のホコリが自動洗浄される機能もありますが、それでも定期的にブラシなどで掃除することが臭い防止に繋がります。
また、ヒーター式の場合は、焦げ臭さを防ぐために、乾燥フィルターの掃除を「毎回」徹底することです。
共通の対策としては、洗濯槽の見えない部分のカビを防ぐため、月に一度は「槽洗浄」コースを実行すること、そして洗剤や柔軟剤を適量以上に入れないことが、どちらの方式でも臭いを抑える基本となります。
【2025年最新】臭くならないメーカーは?自動洗浄機能搭載おすすめ5選
ヒーター式やヒートポンプ式の臭い問題の最大の解決策は、メンテナンスの手間を省き、臭いの原因を自動で除去してくれるモデルを選ぶことです。ここでは、「臭く ない メーカー」を探しているあなたへ、各社が誇る先進の自動洗浄機能を搭載した、おすすめのドラム式洗濯乾燥機を5つ厳選しました。
- パナソニック ドラム式洗濯乾燥機 NA-LX129EL-W
- 日立 ドラム式洗濯乾燥機 ビッグドラム BD-STX130J
- 東芝 ドラム式洗濯乾燥機 ZABOON TW-127XP3
- シャープ ドラム式洗濯乾燥機 ES-X11B
- アイリスオーヤマ ドラム式洗濯機 DKC85A1-W
1. パナソニック ドラム式洗濯乾燥機 NA-LX129EL-W
「パナソニック ヒートポンプ 臭い」という過去の不安を、先進技術で完全に払拭するフラッグシップモデルです。ヒートポンプ式の臭いの最大の原因は、乾燥経路や熱交換器(ヒートポンプユニット)に蓄積するホコリや洗剤カスが雑菌の温床となることでした。このNA-LX129EL-Wは、その原因を断ち切るために「乾燥フィルター自動おそうじ」に加え、「熱交換器(ヒートポンプユニット)自動洗浄」機能を搭載。乾燥のたびに高圧の水シャワーで、臭いの元となる汚れを洗い流し、清潔な状態を自動でキープします。
さらに、パナソニック独自の「ナノイーX」機能が、洗濯槽のカビ菌の繁殖を抑え、生乾き臭を徹底的に抑制。「温水スゴ落ち泡洗浄」と「トリプル自動投入」が、そもそも雑菌のエサとなる皮脂汚れや洗剤残りを許しません。
ヒートポンプの弱点であった「臭い」と「メンテナンスの手間」を、テクノロジーの力で正面から克服した一台です。省エネ性能はそのままに、清潔さを極めたいあなたにとって、これ以上ない選択肢となるでしょう。
2. 日立 ドラム式洗濯乾燥機 ビッグドラム BD-STX130J
「ドラム式洗濯機 臭く ない メーカー」として、日立の「ビッグドラム」は常に最有力候補です。その秘密は「らくメンテ」と呼ばれる、徹底した自動おそうじ機能にあります。このモデルは、「乾燥フィルター自動おそうじ」「乾燥ダクト自動おそうじ」「洗濯槽自動おそうじ」という、驚異の「トリプル自動おそうじ」機能を搭載しています。
ヒートポンプ式・ヒーター式を問わず、臭いの原因となるホコリや汚れが溜まりやすい3大箇所を、すべて自動で洗い流します。特に「乾燥ダクト自動おそうじ」は、ホコリがヒートポンプユニットに到達する「前」の通り道からキレイにするため、臭いの根本原因にアプローチできます。
もちろん、シワを伸ばして乾かす「風アイロン」機能も健在。面倒なフィルター掃除や、見えない部分の汚れに悩みたくない、とにかく手間をかけずに清潔さを保ちたいと願うあなたにとって、最も信頼できるパートナーとなるはずです。
3. 東芝 ドラム式洗濯乾燥機 ZABOON TW-127XP3
東芝のZABOONは、「臭いの原因菌」そのものを洗濯段階で徹底的に除去するというアプローチで高い評価を得ています。その核となるのが「ウルトラファインバブル」技術です。ナノサイズの泡が洗剤の洗浄成分を繊維の奥の奥まで届け、皮脂汚れや雑菌のエサとなるタンパク質汚れを根こそぎ洗い流します。これにより、乾燥時に雑菌が繁殖するという、ヒートポンプ式の根本的な臭いの原因を、洗濯の時点で断ち切ります。
もちろん、乾燥機能も万全です。「乾燥ダクト自動おそうじ」機能が、乾燥のたびにダクト内に付着したホコリを洗い流し、フィルターの目詰まりや臭いの発生を防ぎます。
「ヒートポンプ式の臭いが心配」という方に対し、東芝は「そもそも洗濯で臭いの原因を残さない」という、最も本質的な答えを提示してくれます。洗浄力と清潔維持能力、その両方を妥協したくないあなたに最適な一台です。
4. シャープ ドラム式洗濯乾燥機 ES-X11B
シャープのドラム式洗濯乾燥機は、独自の「プラズマクラスター」技術による除菌・消臭機能で、臭い対策に強力なアドバンテージを持っています。洗濯槽や衣類にプラズマクラスターイオンを放出することで、カビ菌の繁殖を抑え、生乾き臭や洗えない衣類の消臭まで行えます。
さらに、メンテナンスの手間を大幅に削減する「乾燥フィルター自動おそうじ」機能と「乾燥ダクト自動おそうじ」機能を搭載。日立と同様に、ホコリが溜まりやすい2つの経路を自動で清掃することで、ヒートポンプ式の弱点であるホコリ詰まりと、それに伴う臭いの発生を強力に防ぎます。
ヒートポンプ式(ハイブリッド乾燥NEXT)の省エネ性能と、プラズマクラスターによる積極的な「除菌・消臭」。そして、面倒な掃除から解放される自動おそうじ機能。清潔さと快適さ、そして安心感を同時に手に入れたいあなたに、シャープは確かな答えを提供してくれます。
5. アイリスオーヤマ ドラム式洗濯機 DKC85A1-W
「ヒーター式とヒートポンプ式どっちがいいか」という比較において、「導入コスト」を最重要視するならば、このアイリスオーヤマのヒーター式モデルは非常に魅力的な選択肢です。ヒートポンプ式に比べて本体価格が抑えられており、新生活や一人暮らしで乾燥機能付きドラム式を初めて導入したい方に最適です。
乾燥方式は、高温で乾かす「ヒーター式」を採用。ヒートポンプの弱点である冬場の乾きムラなどもなく、パワフルに衣類を乾燥させます。ただし、この記事で解説したように、上位モデルに搭載されている「乾燥フィルター自動おそうじ」機能などは備えていないため、ヒーター式特有の「焦げ臭い」臭いを防ぐためには、使用後の「乾燥フィルターのこまめな手動掃除」が不可欠です。
ランニングコスト(電気代)はヒートポンプ式に劣りますが、その分、本体価格の安さで初期投資を抑えることができます。メンテナンスの手間を惜しまず、パワフルな乾燥力とコストパフォーマンスを両立させたいあなたのための、現実的な一台です。
まとめ:「臭い」の弱点を克服したモデルで、快適な乾燥ライフを
ヒーター式やヒートポンプ式の臭い問題は、どちらの方式を選んでもメンテナンスを怠れば発生する可能性がありました。ヒーター式はホコリの焦げる臭い、ヒートポンプ式は低温乾燥による雑菌やホコリ詰まりの臭い。どちらを選ぶべきか「どっちがいい」か悩むのは当然です。
しかし、近年のドラム式洗濯乾燥機は、メーカー各社がこの「臭い」の弱点を克服すべく、驚異的な進化を遂げています。パナソニックや日立、東芝などが競い合う「乾燥フィルター自動おそうじ」や「熱交換器(ヒートポンプユニット)自動洗浄」機能は、まさにその答えです。これらの機能を搭載したモデルを選ぶことが、「臭く ない メーカー」を選ぶこととほぼ同義と言えるでしょう。
ヒーター式かヒートポンプ式かという選択は、最終的には「ヒーター式 ヒートポンプ 式 電気代」の差、つまり日々のランニングコストをどれだけ重視するか、という点にかかってきます。この記事で紹介したそれぞれの特徴と対策が、あなたのライフスタイルに最適な、後悔のない一台を見つけるための一助となれば幸いです。
