Ryzen 7 5700Xは、Zen 3アーキテクチャを採用した8コア16スレッドの高性能CPUであり、ゲーミングにもクリエイティブ作業にも強いバランス型のプロセッサです。しかし、その真価を引き出すには、相性の良いグラフィックボード(GPU)選びが重要になります。
この記事では、「Ryzen 7 5700Xと相性の良いGPUは?」「ボトルネックは発生しない?」「ゲームや動画編集にはどのモデルが最適?」という疑問を抱える人に向けて、最新GPUとの組み合わせ例やおすすめ商品を徹底的に解説します。
目次
この記事のポイント
- Ryzen 7 5700Xの性能を活かせるGPUがわかる
- ゲームやクリエイティブ用途で快適に動作する構成がわかる
- ボトルネックの有無を考慮した相性の良いモデルが見つかる
- 価格帯別でおすすめGPUを紹介
- BTOや自作に役立つ動作実績のある構成を確認できる
Ryzen 7 5700XとGPUの相性・性能・選び方を徹底解説
- Ryzen 7 5700Xの性能と特長
- グラボなしでは動く?内蔵GPUは非搭載
- ゲーミング用途で求められるGPU性能
- クリエイティブ用途ではVRAMも重要
- ボトルネックを回避するグラボの選び方
Ryzen 7 5700Xの性能と特長
Ryzen 7 5700Xは8コア16スレッド構成で、最大ブーストクロックは4.6GHzという非常に高い処理能力を備えています。このスペックにより、最新のゲームでも高フレームレートで安定した動作が可能であり、さらに動画編集やストリーミング、3Dレンダリングなどのクリエイティブ用途にも対応できます。マルチスレッド処理に強いため、複数のアプリケーションを同時に立ち上げても快適に操作可能であり、クリエイターや配信者にも高く評価されています。Intel Core i5-14400Fと比較した場合でも、特にマルチコア性能において優れたベンチマークスコアを叩き出しており、同価格帯では屈指のコストパフォーマンスを誇るCPUです。
グラボなしでは動く?内蔵GPUは非搭載
Ryzen 7 5700Xには内蔵グラフィックスが搭載されておらず、ディスプレイ出力を行うには必ず別途グラフィックボードが必要になります。PCを起動するだけでなく、BIOS画面やOSのインストール時にもGPUがなければ何も表示されません。そのため、映像出力目的であってもローエンドのGPUを用意しなければなりません。ただし、本格的にゲームや映像編集を行うのであれば、最低限ではなく性能と相性を考えたGPUを選ぶことが求められます。
ゲーミング用途で求められるGPU性能
Ryzen 7 5700Xと合わせてゲーム用途に最適なGPUを選ぶには、フルHD(1080p)で144fps以上の高フレームレートを目指すか、WQHDや4Kで高画質を維持するかによって選択肢が変わってきます。Apex LegendsやFortnite、原神、FF14などのゲームでは、RTX3060やRX6700XT以上のグラボで非常に快適なプレイが可能です。より余裕を持たせたい場合やWQHDモニターを使う場合は、RTX4060やRX7600以上を推奨します。また、今後発売される重いゲームへの備えとして、RTX4070以上の選択も視野に入れると良いでしょう。
クリエイティブ用途ではVRAMも重要
動画編集や3DCG制作、写真加工などクリエイティブな用途で使用する場合、GPUのコア数や処理能力に加えて、VRAMの容量が重要な判断基準となります。特にAdobe Premiere ProやDaVinci Resolveなどを使う際には、VRAMが8GB以上、可能であれば12GB以上あると快適な作業が可能です。GPU支援エンコードやAI処理にも対応するRTX 4070 SuperやRX 6800などは、性能と価格のバランスがよく、Ryzen 7 5700Xとの組み合わせでもボトルネックが少なくおすすめです。
ボトルネックを回避するグラボの選び方
Ryzen 7 5700Xの性能を最大限に引き出すには、GPUとのバランスが非常に重要です。例えば、RTX4060〜4070 Tiのようなミドルからハイミドルクラスのグラボは、5700Xの処理性能をうまく引き出し、無駄なく活用できます。逆に、RTX4090などのハイエンドGPUを搭載しても、CPUが処理しきれずグラフィック処理の足を引っ張る「ボトルネック現象」が起こる可能性があります。性能の過不足がない組み合わせを選ぶことが、長く快適に使える自作PCの鍵です。
Ryzen 7 5700Xに最適なグラボおすすめ10選
- RTX 4060:低消費電力かつ高効率、144FPS狙いのフルHD向けで、ApexやValorantなどのeスポーツタイトルでは非常に安定したフレームレートを実現できる。価格も手頃で、電源容量が小さいPC構成にも適している。
- RTX 4060 Ti:コスパと性能のバランスが優秀で、フルHD〜WQHDまで幅広く対応可能。動画編集やゲーム実況にも使いやすく、最新タイトルの高設定も安心してプレイできる。
- RTX 4070:WQHDゲーミングや動画編集もこなせる万能型。DLSS 3にも対応しており、将来的なゲームへの対応力も高く、省電力で扱いやすい点も魅力。
- RTX 4070 Super:クリエイティブ作業に最適な12GB VRAM搭載で、3DCGやAI画像処理などの負荷の高い作業にも向いている。ゲームでも4K設定を一部視野に入れられるパフォーマンスを持つ。
- RX 6700 XT:AMD製で価格対性能比が非常に高い。特に1440pゲーミングでは安定感があり、FidelityFX Super Resolutionにも対応しており描画の補完処理も優秀。
- RX 6750 XT:ゲーム向けに最適化された強力モデルで、メモリ帯域も広く、滑らかな描写が可能。レイトレ性能は若干劣るものの、純粋なフレームレート重視の用途では十分な性能を持つ。
- RX 7600:コスパ抜群のフルHD向けグラボ。エントリー向けながら最新アーキテクチャ採用で、DX12やVulkanベースのゲームでも対応力が高い。
- RTX 3060(12GB):旧世代だがVRAM豊富で編集作業に強い。VRAMの多さから4K映像素材の編集や軽度な3DCG作業にも対応できる。
- RTX 3070:高フレームレートを狙いたい人に最適。WQHDでのゲームプレイや高リフレッシュレートモニターとの相性が良く、RTX 3080に近い実力を持つ。
- RX 6800:WQHD以上で安定したパフォーマンスを発揮し、ゲームだけでなくコンテンツ制作用途にも適している。レイトレ以外の純粋なレンダリング性能が非常に高く、長期運用にも向く。
まとめ
Ryzen 7 5700Xはゲーマーにもクリエイターにも非常にバランスの良いCPUであり、処理性能と省電力性のバランスにも優れていることから、長期的な使用にも向いています。しかし、グラフィックボードの選定を誤ってしまうと、そのポテンシャルを十分に活かすことができず、せっかくの高性能が無駄になってしまう可能性があります。とくにゲームや動画編集、3DCG制作などを快適に行いたい場合は、ボトルネックが発生しない組み合わせを意識することが重要です。この記事で紹介したおすすめGPUの中から、自分の使用用途、予算、今後の拡張性なども加味しながら、最適な1枚を見つけてください。しっかりとした構成で組めば、Ryzen 7 5700Xは間違いなくあなたの作業や趣味のクオリティを引き上げてくれるでしょう。