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家電

外付けHDDをNAS化アダプタでネットワーク共有!その方法と現実

自宅に眠っている、PCにUSB接続するだけの大容量の外付けHDD。これを家族みんなのスマホやPCからアクセスできるNAS(ネットワーク接続ストレージ)のように使えたら便利だと思いませんか。そんな夢を叶えるのが、外付けHDDをNAS化するアダプタです。USB HDD NAS化アダプタや、NASアダプター USBストレージ to LAN変換アダプターと呼ばれるこれらの機器は、手持ちの資産を活かして、手軽にネットワークドライブを構築できると謳っています。

しかし、その実力は本物なのでしょうか。バッファローなどの本格的なNAS製品と比べて、速度や機能面で劣るのではないか、設定が難しいのではないか、という不安もありますよね。この記事では、外付けHDDをNAS化アダプタで無線化・ネットワーク共有するメリットとデメリット、そして現実的な使い道について、詳しく解説していきます。

  • NAS化アダプタは、USB接続の外付けHDDを簡易NASとしてネットワーク共有できる
  • メリットは「低コスト」と「手持ち資産の有効活用」
  • デメリットは「転送速度が遅い」「機能が限定的」「設定がやや複雑」
  • 本格的な速度や機能を求めるなら、専用NAS(バッファロー製品など)がおすすめ

外付けHDDをNAS化するアダプタとは?その実力と限界

シンプルNASアダプターとも呼ばれるこれらの製品。PCに繋ぐだけだった外付けHDDを、ネットワーク対応ストレージに変えるという魅力的な機能ですが、その仕組みと、導入前に知っておくべき限界について解説します。

  1. 外付けHDD NAS化アダプタの基本的な仕組み
  2. NAS化アダプタを使うメリット
  3. NAS化アダプタのデメリットと「遅い」と言われる理由
  4. 専用NAS(バッファローなど)との決定的な違い
  5. ネットワークドライブの割り当てと設定の難易度

1. 外付けHDD NAS化アダプタの基本的な仕組み

NAS化専用のLANアダプターや、USB HDDをNAS化するアダプタとは、一体どのようなものでしょうか。その基本的な仕組みは、USBポートとLANポート(有線LAN)を備えた小型の変換アダプタです。

このアダプタのUSBポートに、あなたが持っている通常の外付けHDD(またはUSBメモリ、SSD)を接続します。そして、アダプタのLANポートと、ご家庭のWi-Fiルーターを有線LANケーブルで接続します。

このアダプタ自体が、簡易的なファイルサーバー(NAS)として機能し、Wi-Fiルーターに接続されている他のPCやスマートフォンから、ネットワーク経由で外付けHDD内のファイルにアクセス(読み書き)できるようにしてくれるのです。これにより、外付けHDDをPCに繋ぎ変える手間なく、データを共有できるようになります。

2. NAS化アダプタを使うメリット

このアダプタを使う最大のメリットは、その手軽さとコストパフォーマンスです。すでに大容量の外付けHDDを持っている場合、数千円から一万円程度のアダプタを追加購入するだけで、簡易的なネットワークストレージ環境を構築できます。

本格的なNAS(例: バッファローのLinkStationやSynology製品など)を導入しようとすると、NAS本体だけで数万円、さらに内蔵するHDD代も別途必要になるため、トータルコストはかなり高額になります。

今ある外付けHDDを、とりあえず家族と共有できるようにしたい、あるいはPCを起動していなくても、スマホから写真や動画を見たいといった、比較的ライトなニーズに対しては、このNAS化アダプタが最も安価なソリューションとなるでしょう。

3. NAS化アダプタのデメリットと「遅い」と言われる理由

しかし、この手軽さにはトレードオフが伴います。NAS化アダプタの最大のデメリットは、転送速度が遅いことです。本格的なNASは、高速なCPUと大容量メモリを搭載し、最適化されたOSで動作するため、高速なデータ転送(ギガビットイーサネットの限界に近い速度)が可能です。

一方、安価なNAS化アダプタは、内蔵CPUやメモリが非力なため、データの処理能力に限界があります。また、USBポートの規格(USB 2.0など)が古い場合も、速度のボトルネックになります。結果として、ネットワーク経由でのファイルコピーが非常に遅かったり、高画質な動画のストリーミング再生がカクついたりすることがあります。

さらに、機能面でも、本格NASが持つようなRAID(データの二重化)による保護機能、外出先からのアクセス機能(リモートアクセス)、自動バックアップ機能などは、搭載されていないか、設定が非常に複雑な場合が多いです。

4. 専用NAS(バッファローなど)との決定的な違い

バッファロー製の外付けHDDをNAS化する製品、つまりLinkStationやTeraStationといったバッファロー製の専用NASと、NAS化アダプタとの決定的な違いは、まさに前述した速度と機能性、そして信頼性です。

専用NASは、データを安全かつ高速に共有するために専用設計されたコンピューターです。強力なCPUとOSを搭載し、複数のHDDを内蔵してRAIDを組むことで、1台のHDDが故障してもデータが失われない高い信頼性を確保できます(RAIDレベルによる)。また、スマホアプリからの簡単なアクセスや、PCの自動バックアップ先として、誰でも簡単に使えるように洗練されています。

一方、NAS化アダプタは、あくまでUSBストレージをネットワークに繋げるだけの簡易的な機能が中心です。データの保護機能(RAID)はなく、接続した外付けHDDが故障すれば、データは全て失われます。速度や安定性、使い勝手の面でも、専用NASには遠く及びません。

5. ネットワークドライブの割り当てと設定の難易度

NAS化アダプタを導入する際のもう一つのハードルが、設定の難易度です。バッファローなどの専用NASは、PCやスマホ用の設定ツールが充実しており、比較的スムーズにセットアップが完了します。

一方、NAS化アダプタは、多くの場合、Webブラウザ経由でアダプタのIPアドレスにアクセスし、英語や専門用語が多い設定画面で、共有設定(SMB/CIFSなど)やユーザー管理を行う必要があります。PCのネットワーク設定にある程度詳しい人でなければ、つまずく可能性が高いです。

設定が完了した後も、WindowsのPCからネットワークドライブの割り当てを行う際、アダプタがネットワーク上でうまく見つからない、といったトラブルが発生することも。手軽に導入できるかと思いきや、ある程度のネットワーク知識が要求される点は、大きなデメリットと言えるでしょう。

【2025年最新】手軽なNAS化?現実的な代替案おすすめ5選

専用のNAS化アダプタが市場から減っている今、手持ちの外付けHDDをネットワーク化したいという願いを叶える、現実的で満足度の高いソリューションを5つ厳選しました。これらはAmazon.co.jpで確実に新品購入が可能です。

  1. TP-Link WiFi 7 ゲーミングルーター Archer GE230
  2. バッファロー(BUFFALO) LinkStation LS210D0201G (NAS 2TB)
  3. Synology 1ベイ NASキット DS124
  4. ラトックシステム USBデバイスサーバー RS-WFIREXU
  5. アイ・オー・データ NAS ネットワークHDD 3TB HDL-AAX3/E

1. TP-Link WiFi 7 ゲーミングルーター Archer GE230

外付けHDDのNAS化アダプタで懸念される「速度」の問題は、ネットワーク全体の基盤であるルーター性能に大きく左右されます。このTP-LinkのArcher GE230は、「WiFi 7」という次世代規格に対応した最新鋭のゲーミングルーターです。手持ちのHDDをNAS化する直接的な機能(USB共有ポート)が主目的ではありませんが、もし簡易NAS機能付きのルーターや本格NASを導入する際、その性能を最大限に引き出す「土台」として最強の性能を発揮します。

BE3600(2882+688Mbps)の圧倒的なデュアルバンド速度と、2.5Gbpsの高速WAN/LANポートが、ネットワーク内のデータ転送ボトルネックを解消。たとえNAS化アダプタや簡易NAS機能付きルーターを使ったとしても、Wi-Fi区間の速度が遅ければ、結局快適なアクセスは望めません。

将来的に本格的なNAS(2.5GbE対応モデルなど)を導入する場合、このルーターがあれば、そのNASが持つポテンシャルをPCやスマートフォンへ余すところなくワイヤレスで届けることが可能です。3年間のメーカー保証も安心。まずはネットワークの「大動脈」を最強にすることで、将来のNAS化計画を盤石にする。そんな戦略的投資として最適な一台です。(※本機にUSBストレージ共有機能があるかは、別途ご確認ください)

2. バッファロー(BUFFALO) LinkStation LS210D0201G (NAS 2TB)

NAS化アダプタを探す手間や、その性能の低さ、設定の複雑さに失望するくらいなら、最初から「最も安価なクラスの専用NAS」を導入する方が、結果的に満足度は高いかもしれません。バッファローのLinkStation LS210D0201Gは、2TBのHDDが最初から内蔵された、NAS入門機として最適なモデルです。

NAS化アダプタと手持ちの外付けHDDを組み合わせるのと、価格的にもそれほど大きな差がない場合がありながら、その性能と使い勝手は専用機ならでは。PCやスマホ用の専用アプリ(WebAccessなど)が用意されており、初期設定や外出先からのアクセスも、アダプタの設定とは比較にならないほど簡単に行えます。

もちろん、HDD1台モデルなのでRAIDによるデータ保護はできませんが、それはNAS化アダプタも同じこと。バッファローの外付けHDDをNAS化したいと考えていた方にも、この「本物のNAS」から始めるのが、最も後悔の少ない確実な選択と言えるでしょう。

3. Synology 1ベイ NASキット DS124

バッファローよりも、さらに多機能で拡張性の高いNASを求めるなら、Synology(シノロジー)のNASキットが世界的に高い評価を得ています。DS124は、HDD1台(HDDは別売)を搭載できるエントリー向けのNASキットです。手持ちの外付けHDDをNAS化したいというニーズとは異なり、内蔵用HDDを別途用意する必要はありますが、その価値は十分にあります。

Synologyの最大の強みは、「DSM(DiskStation Manager)」と呼ばれる、非常に高機能で使いやすいOS(管理画面)にあります。単なるファイル共有(ネットワークドライブの割り当て)だけでなく、PC全体のバックアップ、高機能な写真管理アプリ(Synology Photos)、動画ストリーミング、監視カメラサーバーまで、多彩な機能をアプリとして追加できます。

外付けHDDをNAS化するアダプタとは比較にならない、まさに家庭用の多機能サーバーとして活躍します。価格は上がりますが、その多機能性と信頼性、使いやすさは、一度体験すると戻れない魅力があります。データを「共有」するだけでなく、「活用」したいあなたに最適です。

4. ラトックシステム USBデバイスサーバー RS-WFIREXU

これは厳密なNAS化アダプタとは異なりますが、「外付けHDD 無線化」というニーズに近い製品です。RS-WFIREXUは「USBデバイスサーバー」と呼ばれるもので、USB機器(HDD、プリンター、スキャナーなど)をWi-Fi経由でネットワークに接続し、まるでPCに直接USB接続しているかのように使えるようにする機器です。Amazonでも新品が購入可能です。

NAS(ファイルサーバー)化するのではなく、USB接続を無線で「延長」するイメージです。そのため、基本的には1台のPCが排他的に使用する形になり(複数台での同時ファイル共有はNASのようにスムーズではありません)、専用のユーティリティソフトをPCにインストールする必要があります。

メリットは、HDDだけでなく、プリンターやスキャナーなど、ファイル共有以外のUSB機器も無線化できる点です。デメリットは、転送速度が遅いこと、そしてNASとは根本的に使い勝手が異なる点。外付けHDDのネットワーク共有というよりは、PCとHDDを置く場所を自由にしたい、という目的には適しています。

5. アイ・オー・データ NAS ネットワークHDD 3TB HDL-AAX3/E

外付けHDDのNAS化アダプタの手軽さは魅力的だが、速度の遅さや設定の難しさ、データ消失のリスクで後悔したくない。そんなあなたに最適な「現実解」が、アイ・オー・データ機器が提供する、この高性能NAS(ネットワークHDD)です。本製品は3TBのHDDを内蔵しており、購入後すぐに本格的なネットワーク共有を開始できます。

最大の特徴は、安価なNAS化アダプタとは比較にならない「高性能ハードウェア」を搭載している点。デュアルコアCPUと、従来のギガビットイーサネットを2.5倍高速化する「2.5GbE(マルチギガビット)」LANポートを搭載。対応するルーター(上記のArcher GE230など)と組み合わせれば、読み書き速度はまさに爆速。大容量ファイルのバックアップや、高画質動画のストリーミングもストレスフリーです。

さらに、スマホ/タブレットからのアクセス、クラウドサービスとの連携、PCの自動バックアップ(Time Machine対応)など、専用NASならではの豊富な機能を、国内メーカーならではの分かりやすい設定画面で簡単に利用できます。3年間の長期保証と、信頼の日本製。「簡易NAS化」で妥協するのではなく、最初から「本物」の速度と安心を手に入れたい、賢明なあなたのためのモデルです。

まとめ:外付けHDDのNAS化は「ルーター機能」か「専用NAS」が現実解

外付けHDDをNAS化する専用アダプタという単体の製品は、その速度や機能、設定の難しさといったデメリットから、現在では主流の選択肢とは言えなくなっています。

もし、あなたが手持ちの外付けHDDをネットワークで共有したいと考えるなら、最も現実的で満足度が高い方法は2つです。一つは、USBストレージ共有機能を持つ高機能なWi-Fiルーターに買い替えること。もう一つは、バッファローやアイ・オー・データ、Synologyのエントリークラスの専用NASを導入することです。

これらの方法は、安価なNAS化アダプタよりも、はるかに高速で、安定し、そして簡単に設定・運用が可能です。この記事を参考に、あなたのデータ共有ニーズに合った、最適な方法を見つけてください。